スモークチキンの製作工程

今季最後のスモークチキンが昨日やっと完成しました。
長年スモークに携わっておりますが、作るたびに微妙に味が違いまだまだ修行の身かな??。

たとえ基本的な作り方は同じでも材料、気候、燻煙材の燃え方などで違いが生じるようです。

今回、皆様からスモークをやりたいとのご要望がありましたので参考までに製作工程を紹介してみます。

その工程
「ソミュール液の製作」
ソミュール液(ピックル液)は塩漬けにするための液体で簡単に言えば野菜スープに塩を沢山入れたようなものです。
大まかなレシピ
(1)水  15L
(2)塩  1.5kg(10%濃度)
(3)砂糖  300g
(4)野菜 キャベツ1玉、たまねぎ4玉、にんじん4本、セロリ1束
      みかん2個、にんにく1玉、しょうが1玉、トマト2個 など
(5)赤ワイン  1本
(6)香辛料  ローリエ、ローズマリ、黒コショウ、唐辛子、ナツメグ、シナモン
        オールスパイス、グローブ、などなど合計で一握りほどあります。
これを前日に炊き込み、冷やして翌日以降に漬け込む。

「チキンの漬け込み」
チキンは骨付き、皮付きで大サイズ(生で約420g前後)の方がいい
通常スーパーに骨付きで売ってるのは約250gが多い。
これでも作れないことは無いが出来上がりが小さくて切るのに苦労する。

漬け込み時間は約48時間(2日)

「風乾」
風乾とは読んで字のごとく風で乾かすことで風が無い日や屋内に干す場合は
扇風機で風を当てた方がいい。
これが十分でないと燻煙の時煙と水分が反応してエグミが出る。
※下処理でもっとも重要な工程である。
このとき気温が20℃以上になる季節にはやめた方がいい。
夜間に15℃以下になるようであればまずはOK。
乾燥の程度は表面がべト付かず、さらっとしてること。
肉の色が鮮やかな赤。
この状態になるまで2〜3日が目安となる。
(注)
屋外に干すときは猫、カラス避けの網が必要。

「第一回目のスモーク」
風乾後さっそく煙を掛けますが、最初は煙の無い状態で炉に入れて温度を60℃くらいまでに上げる。
十分に温度が上がらないと煙が結露して酸味が出る。
その後60℃前後から炭火の中に燻煙材投入して発煙させます。
約2時間燻煙する。


ボイル
一回目のスモーク翌日。温度60℃〜70℃の温水で約2時間ボイルする。

ボイルの目的はチキンの芯まで温度を上げること、それに外面近くの塩抜き。

第二回目のスモーク
ボイルの翌日、表面が乾いたら二回目の煙を掛ける。
これでしっかりした色合いとなる。

やり方は一回目と同様。


スモーク完成
第二回目のスモークの翌日に見た目はほぼ完成。


真空パック
完成後、真空パックにする。
それにより熟成して、内部水分と塩味がまろやかになる

パック後1週間の熟成で食べごろになります。
ちなみに賞味期限は冷蔵庫保管で約1年。